田口塾の西口です。
英語において、長文読解の対策ってすごく重要ですよね。文法問題などと比較すると配点が高くなりやすいのと、出題される頻度が高いからです。
しかし、長文読解問題の復習方法って学校では教わらない・身につかないことがほとんどなので、何をどこまで復習したら効果的なのか、わかりきっていない方もいると思います。
そこで今回は、英語の長文読解の復習のしかたについて、私がおすすめするものをご紹介します。
ガチのやつ(笑)を具体的に書いていきますので、実行するにはもちろん根気が要りますが、本当に英語を伸ばしたい方はぜひご覧ください。
復習1日目
全文の意味を理解する
授業で解説を受けたり、参考書等なら解説や和訳を読んだりして、まずは全ての文の意味を理解します。設問や選択肢も、誤りのものも含めて全てです。
これはなぜ必要かというと、一文一文の意味がわかっていないと段落全体や文章全体の意味もわからないし、答えの選択肢がなぜ正解になるかも本当には理解できないからです。
文に書かれている単語一つ一つには必ず意味と役割がありますので、読み飛ばして意味だけを解釈しようとせずに、文法に忠実に理解していきましょう。
《例文》
He worked so hard that he completed the report in a week.
《読み飛ばしすぎた例》
彼は一週間で頑張ってレポートを終わらせた。
《良い例》
彼は一生懸命取り組んだので、レポートを一週間で終わらせた。
この例文では、「so~that構文」が読めているかどうかが重要ですね。
設問に関わらない部分は読める必要なくない?と思う方もいるかもしれませんが、読みにくい英文ほど設問に関わってきますし、一度読んだ文なのに理解せず放っておくことほどもったいない学習はありませんから、やっぱり「全文理解」を目指しましょう。
ただし、解説のときに先生が「ここは読めなくてもいい」と言った範囲や、英語がかなり読めるようになってきた方で「ここは難解すぎるし設問にも関わってないからいっか」と判断できる範囲については、完全に理解しなくても構わないと思います。
問題の見直し
続いて、問題の見直しをします。
確信を持って正解した問題は見直さなくても構いませんが、間違った問題と、確信はなくたまたま合っていた問題については必ず見直しましょう。
ここで、どこをなぜ間違えたのかを知ることは重要なのですが、それだけでは今後何を勉強したら点数が上がりそうなのかがわかりませんよね。
見直しポイントは、「何がわかれば正解の選択肢を選べたのか」です。
例えば、
- この単語の意味がわかれば解けた
- この文の意味がわかれば解けた
- (本文は読めていたけど)選択肢を慎重に精読していれば解けた
- 問題を読み間違えなければ解けた
などです。これなら自分でも正解を選べた!というものを特定してみましょう。
各問題につきこれが完了したら、それを集計してみましょう。
6問間違えていたとして、
- この単語の意味がわかれば解けた:3問
- この文の意味がわかれば解けた:1問
- (本文は読めていたけど)選択肢を慎重に精読していれば解けた:2問
- 問題を読み間違えなければ解けた:0問
という集計結果になったとします。この場合、単語をもっとたくさん覚えれば点数が確実に上がるということがわかるので、安心して単語暗記に時間を割きましょう。
また、次に問題を解く時は、本文だけでなく選択肢も慎重に精読しようという意識が生まれますね。
このように、 「何がわかれば正解の選択肢を選べたのか」 を特定し、そこから自分の課題を見極めることで、その後の点数アップに直結するような振り返りになるのです。
読み直し・解き直し
次に、読み直し・解き直しです。
生徒さんからはよく、何回くらい読み直したらいいかという質問をいただくのですが、私なりに回数の目安を設けているのでお伝えします。
「試験本番では、
- このくらいの精度で
- このくらいのスピードで
読みたい」という理想を考えてみてください(理想のスピードがわからない方は、自身が受験する入試の過去問を使って調べてみてくださいね)。
理想の精度になるまで何度も読む
そうしたら、まずはスピードはそこまで気にしなくても構いませんので、とにかく理想の精度で読めるようになるまで繰り返し読んで、解き直します。
単語・熟語・文構造・正解の選択肢とその根拠など全てを、メモなしの問題用紙だけで完全に理解できるようになるまで読み直しましょう。
1回目はメモなどを見ながら、2回目以降はメモを見ずに読んでみるといった工夫をすると良いと思います。
理想のスピードで読めるまで何度も読む
理想の精度で読めるようになったら、精度を落とさないようにスピードを上げて読む練習をしていきます。
理想の精度のままで理想のスピードで読めるようになったら、その日の解き直しは終了です。
ゆっくり読んで理解できても、速く読むと理解できないのは、単純に脳がスピードに追いついていないからです。脳をスピードに慣れさせれば、必ず速く読めるようになります。
ただし、英文を理解していないのに速く読む練習をしてしまうと、読みの精度が下がるだけなので逆効果です。そうならないよう、理想の精読を先に完成させることを忘れないでくださいね。
復習2日目以降
ここまでが、復習1日目にやることです。
しかし、せっかく理想の精度で理想のスピードで読んで解けるようになったとしても、翌日にもう一度同じ精度・スピードで解き直そうとすると、忘れている部分が出てくると思います。
よって、2日目には、忘れていた部分を自分で理解し、覚え直しながらまた読み直し・解き直しをします。
これを3日目にも行い、よほど自分にとって難しい問題だった場合は4日目・5日目と継続して行います。
2日目以降の再読でも1日目と同様に、理想の精度・理想のスピードで読めるようになるまで繰り返しましょう。
こうして、目指したい読み方を日をまたいで何度も何度も頭に叩き込んでいくことで、英語の長文読解における慣れとコツを習得することができます。
1ヶ月後
余裕のある方や英語を武器にしたい方は、1ヶ月以上経った後にもう一度解き直してみましょう。
忘れていた部分をもう一度覚え直せばさらに記憶が定着します。
また、最初に読んだ日から自分がどのくらい成長しているかということも、体感で理解できるはずです。
おわりに
以上、 英語の長文読解の復習のしかたについて、私がおすすめするものをご紹介しました。
同じ教材を何度も繰り返すのは、最初は退屈に思えるかもしれませんが、やっていくと成長を実感できるので案外楽しいですよ!
ぜひ参考にしてみてください。
田口塾の西口でした。