【書き方・例文】慶應出願時の主体性、多様性、協働性の文章はどう書けばいい?

受験
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田口塾の西口です。

今年2021年度から、慶應義塾大学の出願に新しい要項が加わりましたね。

学部一般入学試験のインターネットによる出願の際に,「主体性」「多様性」「協働性」についてどのように考え,心掛けてきたかについて,100文字以上,500文字以内で入力を求めます。
・入力は受験生本人が行うものとし,出願の要件とします。
・入力した内容は合否判定に用いることはせず,入学後の学習指導上の参考資料としてのみ活用します。
・併願する学部が複数ある場合でも,1回の入力ですべての学部に適用されます。

https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/news/2019/10/1/258-63193/

合否には関わらないとしても、どんな風に活用されるのかわからないということで、受験生としては慎重に提出したいところですよね。

私は塾で小論文や推薦入試系の授業を担当しているので、こういう出願書類もよく添削するのですが、そんな目線からこの文章をどんな風に仕上げるのが良さそうか解説してみたいと思います。

例文もいくつか作ってみましたので、ご参考ください。

前提:抽象的な考え方ではなく、具体的な経験を書こう

テーマが”どのように考え、心掛けてきたか”なので、自分の考えをただ書けばいいと思うかもしれませんが、考えとともに具体的な経験を書く必要がありそうです。

そもそも自分がどう考えて生きてきたかは、経験やエピソードを語ることでしか裏付けできません。

それに加えて、慶應のプレスリリースではこのように書いてありました。

学部一般入学試験のインターネットによる出願の際に、「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験について、入力を求めます。

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2018/11/19/28-50843/

こちらには”経験について”と書いてありますね。

よって、主体性・多様性・協働性を発揮した経験を含んだ文章に仕上げなければいけないということになります。

大枠:どんな流れで書けばいいか?

文章の大枠ですが、一番無難なのはこの2パターンかなと思います。

①経験を1つ挙げて、その経験で主体性・多様性・協働性を発揮したポイントを書く
②主体性を発揮した経験→多様性を大事にした経験→協働性を発揮した経験の順で書く

自分が特にアピールしたい経験がある場合は①、それが複数ある場合やあまりない場合は②が良いかと思います。

主体性・多様性・協働性の3つのうち書かないものがあってもOKなのかについてですが、ちょっと危険なのでやめた方がいいです。
3つ全てに触れておきましょう。

中身:どんな経験について書くか

次は、何の経験について書くかです。
主体性・多様性・協働性をアピールできる経験を選んでいきます。
例えば、

・部活
・文化祭
・委員会
・係
・グループ学習(授業内でグループ発表があるとか、修学旅行の班とか)
・学校外のクラブチームや習い事

など、基本は人と関わりながら行った活動が思いつきやすいでしょう。
あまりこういう活動で書けなさそうな場合は、

・勉強(うまく先生の力を借りながら目標に向かって努力した等)
・趣味(趣味を通して色んな人と積極的に関わって学びを得た等)

のような、一見1人での活動に見えたりフォーマルな書類に書くか迷う活動だったりしても、適切な表現を使えば問題ありません。

また、できれば直近3年間くらいの経験が望ましいと思います。
昔すぎると「高校では何もしてないの?」ってなっちゃうので笑

ただしそれ以前の経験でも、特にアピールできそうなもの(小学校の自由研究で全国の賞を取った等)であれば大丈夫です。
ここで一番重要なのは、「自分が」主体性などを発揮したということです。
チームやみんなではなく、自分がどう動いたかを書けるエピソードにしましょう。

作成:大枠に沿って経験を並べる

先ほど大枠で話した①②パターンそれぞれで、例文を作ってみました。

①経験を1つ挙げて、その経験で主体性・多様性・協働性を発揮したポイントを書く

 私は高校でバスケットボール部の部長として、チーム目標であった県ベスト8を達成しました。
 前年のベスト16からこの高い目標を達成するために、私は週に1回、昼休みに部員全員での定期ミーティングを開催することに決めました。この主体的な動きが功を奏しました。ミーティングでは、普段の練習では言いづらい指摘をし合ったり、戦略をこまめに練り直したりできました。ミーティングの進行として私が重要視したことは、年次やプレーの上手さに関わらず多様な部員から意見を聞き入れることでした。多様性を保つことで、他の誰も気付かなかった決定的なアイデアが出てくるためです。
 加えて、保護者の方々との協働も必要と考え、部の保護者会の頻度を高めました。すると、練習や試合に応援に来てくださる方が増え、差し入れ等も含めて物質的にも精神的にも支えていただきました。  県ベスト8に進めた試合では、驚くほど多くの保護者の方々が盛り上げてくださる中で、部員全員で意見を出し合って作り上げた戦い方が実現し、勝つことができました。今後もこの経験のように、主体性・多様性・協働性を大切にして目標を達成していきたいと考えています。
(487字)

②主体性を発揮した経験→多様性を大事にした経験→協働性を発揮した経験の順で書く

 私はこれまで様々な場面で主体性・多様性・協働性を大切にしてきました。
 例えば主体性については、高校2年次に文化祭での教室の装飾を担当した際、他の学校の装飾や役立つグッズをインターネットで調べ上げ、良いと思った方法を積極的に提案しました。結果、自身の提案がかなり多く取り入れられ、装飾部門で9クラス中2位を取ることができました。
 多様性に関しては、高校3年次に、あるクラスメイトが同性愛者であると私に打ち明けてくれたことがありました。初めての状況でしたが、当人からLGBTについての話をよく聞いて理解に努めたところ「今までと違って安心して登校できるようになった」と言ってもらうことができました。
 協働性については、高校2年次にイギリスから交換留学生が来て、私を含む家族4人と留学生2人で、1日都内観光をしました。他の家族では日本人側の学生が観光プランを予め決めておくことが多かったのですが、私はプランを全員で決めることも思い出の一つになると考え、留学生からも意見をもらいながら当日の朝に観光ルートを決めました。全員が興味のある場所を訪れることができ、満足度の高い観光とすることができました。
(491字)

もちろん経験の内容は人それぞれだと思いますが、文章の流れや表現はぜひ参考にしてもらえたら嬉しいです!

ちなみに文字数は100〜500字ですが、やはり多く書いた方がアピールできることも増えますし、見栄えも良いので、400字以上は頑張って書いた方が安全かと思います。

仕上げ:書き終えたものを必ず読み直す

書き終えたら、必ず最初から読み直しましょう!

できれば、書き終えてすぐではなく、少し一息ついてから読み直すのが良いです。
ミスに気付きやすくなります。
※小論文の試験でも同じです

あとは、担任の先生や塾の先生など、チェックしてくれる人がいれば添削を頼むことを強くお勧めします。
自分では伝わりやすい文章を書いたつもりでも、他人にとっては意味がわからないということはよくあります。

最後に

以上、慶應の出願時に提出する文章の書き方解説でした!

あくまで私なりの解説なので、これで正解だと大学側に確認を取ったわけではありませんが、少なくとも大間違いではないはずです。

慶應を受験する皆さんはまずは試験勉強が大事だと思いますので、この記事をガイドにしながら、納得のいく文章を効率良く書き上げてもらえたら嬉しいです!

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