【創作問題】小論文/順天堂大学スポーツ健康科学部公募推薦(第6弾)

小論文
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田口塾の西口です。

順天堂大学 スポーツ健康科学部の公募推薦を受ける受験生向けに、過去問の傾向に合わせた小論文の問題を作成しました。

小論文は対策材料を集めるのが大変だと思いますので、ぜひご活用下さい。

解説が必要な方、添削をご希望の方はぜひ田口塾へお問い合わせください。

問題

[設問]

課題文中では、経済とスポーツの関係性はどのようであると述べられているか、説明しなさい。加えて、今後の日本の経済においてスポーツが果たしうる役割について、自身の考えを論じなさい(800字、60分間)。

[課題文]

 未曾有と形容される景気の悪化に、スポーツも無関係ではいられない。チームの運営や、スポンサーから手を引く企業が相次いでいる。
 90年代のバブル経済の崩壊から10年余りの間に、野球、陸上、ラグビー、バレーなどの名門、強豪から300を優に超えるチームが消えた。
 それから10年もたたないうちに再び荒涼とした光景が広がり始めている。
 モータースポーツではホンダがF1撤退を表明した。世界ラリー選手権からはスズキと、スバルの富士重工業が撤退を発表し、日本車はこのシリーズからすべて姿を消すことになる。
 アイスホッケーの名門、西武も今季限りでの解散を発表。アメリカンフットボールの強豪オンワードも、今季で30年近い歴史に幕を閉じる。
 ホンダでいえばF1のチーム運営には年間500億円以上かかるという。撤退との経営側の決断にも無理からぬところはある。その一方、胸にすとんと落ちない撤退や休廃部もある。
 社員の士気高揚や福利厚生を目的に始まった戦後の企業スポーツは、高度経済成長とともに拡大・充実し、各競技の頂点を支える仕組みとなった。
 結果として企業の広告、宣伝の色が強まり、それがバブル経済の崩壊による休廃部ラッシュの導火線にもなった。今回も広告費と同じように削られているケースが多いのではないか。
 そんな状況のもと、現場では従来と違う流れが見え始めている。
 アメリカンフットボールで来季のXリーグ昇格を決めたブルザイズ東京は、年間数千円から10万円程度の会費を負担する「市民株主」によるクラブづくりを進めてきた。純粋の企業チームが減り続けるこの競技では、選手側が新しい仕組みを模索し始めている。
 かつてのアマチュア的な企業スポーツを再評価する動きも出てきた。社会人野球の熊本ゴールデンラークスは地元のスーパーマーケットが親会社だ。選手は全員が売り場に立つ。
 競技のレベルが上がり、企業所属でも競技に専念する選手が増えてきた流れに逆行している。しかし、このチームの選手には現役引退後の不安がない。創部3年で、すでに2年連続で都市対抗に出場。「県民に愛されるチームに」と企業名は外し、買い物客の勝手連的なファンも生まれている。
 この苦境を、スポーツと企業と地域社会の関係を再構築する契機にしよう。人材も必要だろう。大学ではスポーツビジネスやマネジメントを学ぶ学科などが、ここ数年で急増している。教育との連携も大いに深めたい。
 ところが行政は、学校・プロスポーツが文部科学省、企業スポーツは経済産業省と担当が分かれている。縦割り構造にメスを入れ、総合的なスポーツ振興を考えるべき時にきている。

引用:2009年1月8日 朝日新聞社説『企業とスポーツ 地域と連携し将来像を』

模範解答

 本文では、経済とスポーツは密接に関連していると述べられている。つまりスポーツ、特に社会人スポーツの存続には企業の利益から来る資金が必要であり、逆にスポーツは企業の宣伝として使われるという関係になっている。こうした相互作用があるため、景気が悪化し企業の資金が不足した際には、スポーツの存続にお金を出せなくなり、スポーツが撤退してしまうという事態に陥った。しかしその中でも、アマチュアスポーツ選手が企業で働きながらスポーツも行うことで企業を盛り上げるという動きも出てきており、スポーツ選手を通した新しい経済の発展のしかたが見出されてきている。

 私は以上のことを踏まえ、今後の日本の経済においてスポーツが果たすことのできる役割は非常に大きいと考える。例えば、2020年に入って最も大きな問題となった感染症の拡大は、経済活動の鈍化という課題を引き起こした。中小企業や特定の業界の企業、飲食店などが大きく損失を出しており、倒産したり撤退を余儀なくされたりした企業も多数ある。この課題に対し、スポーツを通して解決に貢献する方法としては、地元のスポーツチームやそこに所属するスポーツ選手が、そういった打撃を受けた企業や店を宣伝することが挙げられる。飲食店を宣伝する場合であれば、「食べる量の多いスポーツ選手でもお腹いっぱいになる、なのに安い」「栄養バランスの整った健康的な食事が摂れる」など、スポーツ選手ならではの宣伝方法があるはずだ。加えて、地元のスポーツチームは地域に根差した活動を通してファンを獲得しているため、ファンがその店に足を運ぶことのできる範囲で宣伝でき、宣伝効果が高い。宣伝してもらえた店がチームを知ることで、ファンを増やすことに繋がるというチームへのメリットもあるだろう。

 このように、スポーツやスポーツ選手と経済を結びつけて工夫することで、経済の課題に手を打つことができると私は考える。

(794字)

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