【創作問題】小論文/上智大学総合グローバル学部公募推薦(第一弾)

小論文
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田口塾の西口です。

上智大学 総合グローバル学部の公募推薦を受ける受験生向けに、過去問の傾向に合わせた小論文の問題を作成しました。

小論文は対策材料を集めるのが大変だと思いますので、ぜひご活用下さい。

解説が必要な方、添削をご希望の方はぜひ田口塾へお問い合わせください。

問題

[設問]

一般財団法人 CSO ネットワークは、2013 年から 2014 年にかけて途上国における企業の社会貢献活動および事業を通じた社会課題解決の取り組みについて、インタビュー調査を行った。以下は、その調査結果のうちの一つである、キリン株式会社が行った取り組みの一部である。この文章を踏まえて、「グローバルな視点でローカルに行動すること」について、あなたの考えを800字以内で記述しなさい(60分)。

【キリンライブラリー設立(スリランカ)】

 スリランカは世界有数の紅茶葉の産地で、日本に輸入される紅茶葉の約 60%がスリランカ産、そしてスリランカ産の紅茶葉の約 25%が「キリン 午後の紅茶」に使用されている。そこでキリングループは、「キリン 午後の紅茶」発売 20 周年の翌年にあたる 2007 年に、そのおいしさを支えてきたスリランカの紅茶農園との結びつきをさらに深めるために紅茶農園附属の学校向けの図書寄贈活動を開始した。

 当時、スリランカは内戦中で道路などのインフラ整備が進んでいなかった。そして紅茶農園に付属する学校には机、イス、ノート、鉛筆などがなく、生徒は先生の話を聞くだけという状態であったという。そのような中、同社は学校に対する支援を「図書の寄贈」という方法で始めた。様々な需要がある中で「図書の寄贈」に決定したのは、図書が「将来にわたって学校に残り、プログラムの継続とともに増えていくものである」という理由であった。支援の方法や内容の決定においては、スリランカの事情に詳しい紅茶研究家にもアドバイスを仰ぎ、実施にあたっては、現地の財団や図書寄贈活動をおこなっている個人を介しているということである。

 プロジェクトの実施期間は 5 年で 1 期とされ、第 1 期の 2007~2011 年にはのべ 18 校への寄贈がおこなわれた。寄贈の内容は、各校に本棚 1 台、図書を年 100 冊程度とのことである。図書は物語や図鑑、地図などで、各学校の希望を聞きながら選定しているという。第 2 期の 2012 年から 5 年間では年間約 20 校、のべ 100 校への寄贈を計画中である。地域では同社が実施するこのプロジェクトが伝え広まり、図書の寄贈を希望する学校が増えているということであった。

 第 2 期からはプロジェクトに関するポスターの配布もおこなわれている。これは「農園で働く両親たちが摘んだ茶葉が、どのような過程を経て日本で商品となるのか」、「なぜキリングループが図書の寄贈をおこなっているのか」を説明するもので、現地の言語(タミル語、シンハラ語)と英語で書かれているという。これによって子どもたちは、同社がなぜ学校への図書寄贈をおこなっているのか、日本、そして同社と両親たちの農園での仕事がどのようにつながっているかを理解することができるようになった。

引用:https://www.csonj.org/publication/booklet003

模範解答

 文中で描かれたキリン株式会社は、途上国の子どもに教育インフラが行き届いていないという「グローバル」な課題の解決に寄与するため、スリランカの学校という「ローカル」に対して取り組みを行ったと捉えることができる。

 このような「グローバルな視点でローカルに行動する」ことは、先進国が途上国に対して支援する上で非常に重要であると思う。グローバルな視点が重要なのは、地球規模の課題を解決する経済力を持っているのは先進国であるからだ。一方、ローカルに行動することの重要性は解決策の実用性にあると私は考える。つまり、支援する地域を限定することで課題や解決策を特定しやすくなり、現地にとってより有効な活動ができる。キリン社の例でいえば、各学校の需要に合わせた寄贈図書の選択、農園附属の学校ならではの内容を含めたポスターの作成などである。

 しかし、「ローカルに行動する」ことの有限性も忘れてはならない。現地に根差した支援は一時的なものにとどまってしまい、本質的な問題解決に繋がらない場合がある。また、支援を必要とする全ての国や地域の需要には応えきれない。ローカルな取り組みだけでは、地球規模の課題を解決するのには限界があるということだ。

 したがって、グローバルに影響を与えられる国際機関や政府と、ローカルに影響を与える団体や活動が協働し、諸課題の解決に向けて動いていくことが必要である。例えば、政府がローカルに行動する団体を増設したり、それらに資金提供したりすることで、ローカルな取り組みがより持続可能になり広範囲に行きわたる。キリン社のように多国籍企業が途上国の課題解決に貢献することが、企業にとってメリットになるような制度を整えることも考えられる。このように、「グローバルな視点でローカルに行動する」取り組みを、グローバルに支える仕組みもまた不可欠であると私は考える。

(777字)

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