【模範解答付】テーマ型小論文の演習問題(杏林大学医学部)

小論文
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田口塾の西口です。

小論文の授業で扱った問題と解答例をご紹介します。

今回は、2020年度・杏林大学医学部の小論文の問題です。医学部ではありますが、医療系知識が必須ではない設問なので、どんな学部を受ける方でも参考にしていただけるかと思います。

小論文は対策材料を集めるのが大変だと思いますので、ぜひご活用下さい。

解説が必要な方、添削をご希望の方はぜひ田口塾へお問い合わせください。

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問題

「自己犠牲」ということについて論じてください。

※実際の試験問題では800字程度と指定されていますが、今回は600字50分間で実施しました

模範解答例

私は、自己犠牲は払うべきではないと考える。そもそも自己犠牲とは、自分が傷つくにも関わらず、相手のためだけに起こす行動のことである。つまり、相手は得をするが、自分は損をするような行為である。自己犠牲が望ましくないのは、継続的にそれが行われた時、結果として自分も相手も損をしてしまうためである。

例えば、近年増加傾向にある過労死の問題である。これは、従業員が会社のために、自身の睡眠や食事、休暇を犠牲にして過度に働いてしまい、死に至るというものである。たしかにその従業員が働いている間は、大きな労働力として会社の利益になるだろう。しかし、従業員が過労死したとなれば、会社はその責任を問われ、社会的信用を失ってしまう。さらに、それが原因で会社の業績が大きく傾いたり、倒産したりすることもありうる。このように、従業員が会社のためにと自己犠牲を払った結果、会社にとっても自身にとっても悪い結果となってしまうのである。

それでは、人々が自己犠牲を払わないようにするためには、どうすればよいだろうか。私は、関係者全員が得をする環境づくりが重要であると考える。先程の例で言えば、会社側が従業員の労働量や賃金を調整することで、ディセントワークとなるようにすべきである。また従業員も、継続的に働けるように自己管理をすることが必要である。人々が自己犠牲のない利他的行動を取れれば、持続可能な社会の実現により近づくだろう。

(597字)

補足

今回の授業では、生徒が国際系大学の志望だったので、「ディセントワーク」といったSDGsを意識した用語を混ぜています。

医学部を受験する方であれば、患者を診る医師自身が自己犠牲をしないこと、自己犠牲が心身の不健康を生んでしまう様子などを議論できると、より医師の卵としての思考力をアピールできるので良いと思います。

より詳細な解説や、ご自身の書いた小論文の添削をご要望の方は、ぜひお気軽に田口塾へお問い合わせください。オンライン指導も可能です。

以上、田口塾の西口でした!

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