【創作問題】千葉大園芸学部(緑地環境)後期小論文(第6弾)

小論文
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田口塾の西口です。

千葉大学園芸学部(緑地環境学科)の後期の二次試験は小論文ですが、対策のための材料が少ないので、似せた問題と模範解答を作成してみました。

受験する方は、第1弾からご参考いただけると嬉しいです。

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問題

【本文】

 我が国は、食料、エネルギー等の多くを海外からの輸入に頼っており、資源を保有する国・地域の影響を大きく受けています。東日本大震災等の災害時には、エネルギーや水・食料等の物資の供給、流通に支障が生じ、工場の操業など地域の経済活動や住民の日常生活にも大きな影響が生じました。

 こうした状況を考えると、地域における自然環境をいかにして維持していくか、地域内で再生可能エネルギーを街づくりにどう位置付けるか、ということが将来の地域づくりに当たって重要になります。一方、これまで見てきたとおり、地球規模での自然環境の変化に対し、国際的な取組や国レベルの取組が行われている中で、従来地球環境もしくは国全体のレベルでのみ捉えられてきた問題についても、地域に根ざした地域レベルでの取組として実施されてきています。これからの地域社会では、地球温暖化の問題、廃棄物の問題などに個別に対応するのではなく、地域社会というシステムの中で、複数の課題をあわせて解決できるような対策を講じることが求められています。そのためには、地域の自然資源や都市基盤、民間活力等に加えて、地域特有の文化・風土、人的資源を活用していくことが重要になります。

【図1】

【図2】

【図3】

出典:環境省 平成25年版 図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書
第6節 環境共生型の地域づくり

環境省_平成25年版 図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第2章第6節 環境共生型の地域づくり

【問1】

本文下線部①「国際的な取組や国レベルの取組」とあるが、地球規模での自然環境の変化に対して行われているこのような取組にはどのようなものがあるか。150字以内で述べなさい。

【問2】

図1〜3から読み取れることは何か。また、本文で述べられている日本の地域づくりに対して、それはどのような影響を及ぼすのか。200字以内で説明しなさい。

【問3】

本文下線部②「複数の課題をあわせて解決できるような対策」とは、具体的にはどのような対策が考えられるか。問2で述べた影響もふまえた上で、350字以内で記述しなさい。

模範解答

【問1】

2015年に採択されたパリ協定では、気候変動問題に対処するための各国の計画や目標と、協力体制がつくられた。また、SDGsのいくつかは自然環境の保護を目的とするものとなった。日本政府は、再生可能エネルギーを利用する技術の開発に投資するなど、二酸化炭素排出量の削減に貢献する団体に支援を行っている。

(147字)

【問2】

図1より、日本では都市部以外の地域で人口が減少している。また図2と図3より、2010年から2035年にかけてほぼ全ての地域で高齢化が進み、東北や近畿には65歳以上人口の割合が38%を超える県もある。こうした地方の過疎化と高齢化により、地域づくりを担う労働力人口が不足する。具体的には、自然資源が放置されて荒れたり、地元のビジネスが後継者を見つけられず廃業したりという悪影響が生じる。こうした地方の生活環境の悪化や雇用機会の減少に伴い、地方の過疎化がより急速に進行してしまう可能性もある。

(243字)

【問3】

地方においては、医福食農連携の実施が対策の一つとなるだろう。具体的には、介護食品や薬用作物の開発・生産を積極的に行うことである。もともとそこに住んでいる高齢者にとっては、健康に気遣いながら地元の生産品を消費できる。また、そこで育った若者も、医福食農連携を行うビジネスがあることにより雇用機会が増えるため、都市に移住せず地元にとどまる可能性が高まる。医福食農連携を地方で促進する方法としては、食品開発や医薬品開発を行っている企業を自治体が誘致することが挙げられる。またそれが実現されるように、農家や農学系大学は、医療や福祉につながる農業についての研究に注力するなど、協力体制を整える必要がある。以上の対策により、地方の高齢化や過疎化の解決のみならず、経済の発展や学問の進展も見込まれる。

(342字)

より詳細な解説や、ご自身の書いた小論文の添削をご要望の方は、ぜひお気軽に田口塾へお問い合わせください。オンライン指導も可能です。

以上、田口塾の西口でした!

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