田口塾の西口です。
大学入試で小論文試験を受ける方向けに、小論文の問題を作成しました。
小論文は対策材料を集めるのが大変だと思いますので、ぜひご活用下さい。
解説が必要な方、添削をご希望の方はぜひ田口塾へお問い合わせください。
問題
問1
資料1~3を、それぞれ100~200字で要約しなさい。
問2
資料1~3の内容を関連付けながら、男女平等社会の実現に向けて日本はどのような取り組みを行うべきか、その理由も含めて400字程度で記述しなさい。
資料
資料1
森永康子氏の論文「『女性は数学が苦手』 : ステレオタイプの影響について考える」より、「1. はじめに」(49頁)~「2.1 科学と男性を結びつけたステレオタイプ」(52頁)を引用。
資料2
国税庁の統計情報「1 平均給与」より、冒頭から「〔平均給与の内訳〕」の項目までを引用。
資料3
独立行政法人経済産業研究所「理系出身者と文系出身者の平均年収の比較」の全文を引用。
模範解答例
問1
[資料1]
日本では、いわゆる理系を専攻する女性が男性に比べて少ない。その原因の一つとして、大学での専攻や職業の選択に大きく関わる数学という科目に対して、女子のほうが関心が低いことが挙げられる。このことは、親や教師からの理系科目に対するサポートや期待を受けていると感じる女子が男子より少ないこと、およびSTEM分野に携わる研究者や学生の多くを男性が占めていることに起因している。
[資料2]
1年を通して勤務した給与所得者の人数について、および給与額について、調査結果をまとめたものである。加えて、それらの数値について男女別の比較と前年との比較を行っている。給与所得者の人数と給与額はともに、男性の方が上回っているという点も含めて、前年から劇的な変化はない。
[資料3]
文系学部出身者の年収のほうが理系学部出身者の年収よりも高いという定説があったが、文理ではなく業種に依るのではないかという仮説を立て、無作為に抽出した文系と理系の平均年収を比較した。すると、文系出身よりも理系出身のほうが平均年収が高いという結果が得られた。この調査の前後に行われた別の調査の結果を合わせても、この結論は同様に導き出される。
問2
男女平等社会の実現に向けて日本が行うべきなのは、専攻分野に関するジェンダーステレオタイプの解消であると私は考える。
そもそも男女平等社会とは、権利や機会が性別に左右されることのない社会である。女性だからという理由で就けない職業があったり、男性であることが理由で休暇を得られなかったりするような状況は、男女不平等と言えるだろう。
よって、専攻分野の選択に性別が直接関係しているという現実は、男女平等社会の実現を遠ざけている。したがって、その原因である文理のジェンダーステレオタイプを解消する取り組みが必要である。具体的には、STEM分野で活躍する女性の事例や、逆に文系分野で成果を残した男性を、学校の授業で多く取り上げるなどが挙げられる。
文理選択が性差なく行われれば、理系女性の割合が増加すると推測される。これにより、理系出身者として比較的高い給与を得る女性が増加し、結果として男女の給与格差も縮まるだろう。
補足
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以上、田口塾の西口でした!