【創作問題】小論文/上智大学総合グローバル学部公募推薦(第3弾)

小論文
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田口塾の西口です。

上智大学 総合グローバル学部の公募推薦を受ける受験生向けに、過去問の傾向に合わせた小論文の問題を作成しました。

小論文は対策材料を集めるのが大変だと思いますので、ぜひご活用下さい。

解説が必要な方、添削をご希望の方はぜひ田口塾へお問い合わせください。

問題

以下は、政府開発援助 (ODA) の政策評価に関する論文の一部である。これを読み、「援助疲れ」について以下2点の観点を含めながら自身の考えを記述しなさい(800字以内)。

(1)文中に記載されている「援助疲れ」は、なぜ問題視されているか。

(2)「援助疲れ」によって起こる問題を解決するために、どのようなことが必要か。

引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjoes2001/5/2/5_2_17/_article/-char/ja

模範解答

 「援助疲れ」が問題であるのは、ある国が他国を支援しようとした際には国民から集めた資金を利用するため、国民から反対されると援助を続けることが難しくなるためである。国民から支持を受けられなくなった政府は機能しなくなる可能性があるため、資金を他国援助以外のことに優先的に割かなければならなくなる。よって、発展途上国への援助を継続的に行うには、この「援助疲れ」を国内で解消する必要がある。

 そのためには、大きく2つのアプローチが挙げられる。

 第一に、援助のための資金を確保し続けられるような仕組みを作ることである。例えば、国際連帯税の導入により、国の予算に関わらず発展途上国への支援に参加し続けられるようになる。日本では国際連帯税は直近で導入が断念されてしまったが、代替策への需要が高まっている。このような国際的な仕組みを導入しておくことにより、援助に必要な資金をその都度捻出する必要がなくなるため、国民の賛否に関わらず援助を継続しやすくなる。

 第二に、測定可能な援助目標を掲げ、成果を可視化することで、国民からの批判に対して反論できるようにすることだ。「援助疲れ」の原因になっているのは、援助の成果が見えづらいことにある。よって、成果を可視化して、援助が確実に誰かの役に立っていることを明示することが重要だと考える。もちろん成果が全く出ていないような援助の場合は、その援助の内容自体を見直す必要があるが、ここではあくまで「有効な援助を国民に認知させる」という前提での議論とする。

 以上より、援助を継続的に行うために、資金確保の仕組みの導入や国民への援助の成果の明示に取り組むことが重要だと私は考える。課題文中に示された図にもある通り、援助が国民の許容水準を超えるのにはある程度の時間の経過が必要だ。よって、そのレベルに達するまで、対策を打ちながら援助を継続させることが求められる。

(788字)

より詳細な解説や、ご自身の書いた小論文の添削をご要望の方は、ぜひお気軽に田口塾へお問い合わせください。オンライン指導も可能です。

以上、田口塾の西口でした!

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