田口塾の西口です。
順天堂大学 スポーツ健康科学部の公募推薦の2020年度過去問を授業で扱いました。模範解答例を作成しましたので、掲載します。
小論文は対策材料を集めるのが大変だと思いますので、ぜひご活用下さい。
解説が必要な方、添削をご希望の方はぜひ田口塾へお問い合わせください。
設問
[課題文]
全文は掲載できませんが、技術者がデータに関する質問を受けた際に、少し時間はかかったけれどもより正確な答えを出したことに対して、筆者は信頼感を覚えた、という内容のものです。
[設問]
理系人間の「親切さ」を無視してしまうことによってどのような問題が生じるかを説明し、スポーツに科学的に取り組むとはどのようなことかについて論じてください。字数は、700字以上800字以内とします。
模範解答例
理系人間の「親切さ」を無視してしまうことによる問題は、数値的データに基づいた正確な事実を知る機会の損失であると私は考える。理系人間の「親切さ」とは、この文脈の中では、どのような事実があるのかを数字や数式を用いてより正確に伝えてくれることである。その「親切さ」を無視してしまうと、それを聞いた人々が事実を誤解してしまったり、付加的な情報に気づくことができなかったりするという問題が発生するのだ。
スポーツにおいても、この理系人間の「親切さ」を決して無視してはいけない。なぜなら、スポーツのような一見個々人が感覚的に習得していくように思われる活動にこそ、数値的データから読み解ける正しい事実の認識が重要であるからである。
例えばフィギュアスケート選手である羽生氏は、最適なジャンプができる時の体の角度、スピード、摩擦、重力などを数式で表している。自身の体が最も高く・速く回転するためにはどのような状態にすべきなのか、物理学的に理解しているのだ。氷の上での練習だけでは、本来はどのような動きをすべきなのかを経験的にしか把握できない。
また、個人がスポーツ能力を高めるだけではなく、チームスポーツにおけるチームの機能向上においても科学は役立つ。なぜなら、チームの中の個人それぞれの主観に基づいたトレーニングだけでは、チームとして最適な改善努力をすることが難しくなるためである。例えばバスケットボールにおいて、各プレーヤーのシュート成功率を、シュートを打った位置やシュート方法別で集計することで、そのプレーヤーにどこからシュートを打たせるフォーメーションを組めばよいかが明らかになる。「シュート成功率が高いからとにかく打たせよう」とするよりも、成功率の高い戦略を立てられるのだ。
以上のように、スポーツに科学的に取り組むことによって、客観的事実に基づいた最適な方法で能力向上を図ることができるようになる。
(798字)
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以上、田口塾の西口でした!